驚愕!透明なる幻影の言語をたずねてパート2

ことばの力をたずねながら、主に近・現代詩の旅にでたい~時には道を外れながら

2017-08-28から1日間の記事一覧

影の爪 (現代詩)

その影は人の重さを忠実に支え、なぞり、自らの存在は主張しないむろん、影はいのちの明暗をあばきたてること以前に見えないもののありかを焼きつけてはなさない その影があって息づいている世界の単純な仕組みはなにより悲鳴の的になりやすくあえて見ない、…

実感という資質-吉浦豊久詩集『或いは、贋作のほとりに佇む十七夜』について

詩とエッセイと写真が渾然一体となったムック形式の詩集は近頃めずらしい。そのうえこの吉浦豊久詩集は、前詩集 『或る男』から十九年ぶりの第三詩集であることに、感慨深いものがある。かつて菓子職人として富山市内で菓子店を構えていたころからの詩的出発…

われ発見す、夢の島!ー瀧口修造「星と砂とー日録抄」を読む

古書店で見付けたぼくにとっては、まさに夢の本であった。ここには、浅草と新宿というふたつの街が、夢みる現場のように現れる。銀座や渋谷ではない、まして六本木や赤坂、麻布界ではない。だが偶然のようにふたつの限定されたこの場所は、あたかも取りかえ…